先週末の話なので、もはや周回遅れではありますが、御柱の話など。

Twitterでもブツブツつぶやいていましたが、5/8～9の週末は、諏訪大社下社の里曳きです。
里曳きは、先月の山出しで山から下ろし、注連掛という場所で一ヶ月休めていた御柱を、街中まで曳行して春宮、秋宮へ曳き付け、社の四隅に建てる（建御柱）ところまでを行います。

ダイナミックな木落しで御柱の代名詞になっている山出しに比べ、里曳きは社が柱を迎え入れるということもあり、町全体が非常に賑わいます。

当然観に行くつもりでいたのですが、そこへ飛び込んできたのが「鶴田謙二原画展」開催の報せ。
鶴田謙二さんの漫画・イラストは以前からとても好きなのですが、その原画を直接見ることのできるまたとない機会。しかし会期は里曳きと同じ週末まで。しかも会場は代々木上原。

最初は東京に一泊して、土日で両方回ろうかとも思いましたが、会津行でかなり疲れていたので、一日は家でゆっくり休みたい…。
という訳で、一日で両方回るという暴挙に出たのでありました。

朝6時に家を出て、始発の特急しなので塩尻、そこから中央東線の普通に乗り換えて下諏訪に着いたのは9:30。
既に国道は封鎖され、騎馬行列などが練り歩いております。

そして里曳きの醍醐味といえば、コレ。「振る舞い」です。

里曳きでは街中を柱が曳行されることもあって、町中が非常に多くの氏子、観光客で賑わいます。
それに合わせて沿道の企業やお宅が、ところどころで振る舞いをして下さっています。わたくしも早速朝から頂きました。「真澄」と「神渡」を呑み比べ。やはり味の好みは「真澄」ですかね。

一杯引っ掛けたところで、ちょっと賑わう曳行路から外れて共同浴場「矢木温泉」へ。
この浴場、下諏訪温泉で一般開放されている中では唯一入りそびれていたので、折角近くまで来たということでさっと一風呂。

さっぱりと禊も済ませ、春宮へ向かいます。すでに凄い人で混雑しています。

春宮一之御柱～春宮四、秋宮一～秋宮四の順で曳行されるのですが、まだ一本目の春宮一も到着していないので、境内の木落坂を登って柱を見に行きました。

この急な坂を落として柱は春宮の境内に入ります。そして春宮の御柱はそのまま建てられ、秋宮の柱はさらに街中を秋宮まで曳行されます。

暫く山の方へ進んでゆくと春宮一之御柱が見えてきました。木遣り衆の歌を合図に柱が曳かれます。山出しの時に比べて曳き子となっている氏子の皆さんの表情も幾分穏やかに感じられます。

柱と共に移動すると大混雑に巻き込まれてしまうので、春宮へとって返し、木落し坂へ。足場の悪い斜面に場所を確保して、春宮一の木落しを待ちます。

予定は11:00でしたが、大幅に遅れて12:00過ぎにようやく柱が坂の上に到着。本来は建御柱が完了した後に割られるはずのくす玉が先に割れてしまうというハプニングもありつつ、12:30頃に無事柱が境内に落ちました。

柱が落ちた瞬間。氏子が境内を埋め尽くし、無事の木落しを祝っています。

本当は建御柱まで見届けたかったのですが、この後代々木上原へ行かねばならないという乱暴な行程のため、ここで離脱。
後ろ髪を引かれつつ駅へと帰りました。この後夕方の建御柱では、春宮一の天端乗りの方はじめ3名から柱から転落し、2名の方が亡くなられたとのこと。
非常に残念です。亡くなられた方のことも恐らくどこかでお見かけしていたものと思います。心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

街中では引き続き長持ちなどが祭りを彩っていました。この雰囲気、何度来ても心地よいものです。

13:30頃のスーパーあずさで新宿に向かう事にしましたが、せっかくここまで来たので昼飯は小淵沢の駅弁「元気甲斐」が食べたい…。ところが乗る特急は小淵沢に止まらず、駅で短い停車時間で買うという力業が使えないので、一本前の普通列車で茅野駅へ。ここでも販売があるので無事ゲット。

ホームには、茅野駅名物「巨大黒曜石の原石」が。

スーパーあずさで一気に新宿へ。そして小田急に乗り換えて代々木上原に着いたのは15:30ころ。

先ほどまで御柱の熱気の中にいたのが信じられないような、閑静な住宅街の中ほどにあるギャラリーへ。

いやあ、やはり原画の迫力というのは凄いです。言葉になりませんでした。
展示点数が多く、たくさんの原画に接することができたのは良かったのですが、会場のキャパシティがやや狭く、壁面に三段とかぎっしり並べられていたので、一点一点をじっくり眺めることができなかったのが少し残念でした。

ポストカードを購入して会場を後にし、東京駅から新幹線で一気に名古屋へ。
名古屋着20:30。めまぐるしい一日でした。

やはり訳が分からなくなるので、こういう予定の組み方はしないほうがいい、ということを学んだ一日でありました（涙）