前回の続き。
福島保木1号トンネルを抜け、スノーシェッドに覆われたカーブを曲がりきると、すぐに福島保木2号トンネルになります。
「日本の廃道」で公開されている「隧道データベース」によると、福島保木1号トンネルの延長が67mで、2号トンネルが60mとのことなのですが、どうみても1号トンネルの方が長いです。
地形図で測ったら1号トンネルは100m強ありそうでした。
というわけで、2号隧道は60mほどなのですぐに抜けてしまいます。
来た道を振り返って北側の坑口を。
さらに引いて。
アスファルトが緑色に染まり、亀裂からは草が生い茂ります。
栄枯盛衰を感じされるもの悲しい光景。
陽光の差し込む時間は短く、続いて福島保木3号トンネルの坑門が迫ってきます。
真っ暗な隧道内のおくのほうに、うすぼんやりと明かりが見えるのがわかるでしょうか。
プレート。
多分他の隧道同様に、タイルで一文字ずつ埋められた「福島保木3号トンネル」という扁額があるのでしょうが、シェッドに邪魔をされて視認できないので、このプレートだけが頼りです。
しばらく進むと隧道の横腹に穴が開いています。
上の写真でぼんやり明るく見えた区間です。もう少し先にも似たような箇所があるのが見えていますね。
これらの区間は、隧道というより二本の隧道を繋ぐ洞門ということになるのでしょうか。
二番目の洞門区間。
大して環境に違いがあるとも思えないのですが、上の最初の洞門区間に比べて内部のコンクリートの状態が非常に良好です。
もしかしたら建造年次が違うのかもしれませんね。
しかし状態がよく見えるのは洞内だけ。明りとりの部分を覗き込むとコンクリートはボロボロで鉄筋が露出しています。
しかもこの場所は滝になっちゃっていますね。
二つ隣の口から外に出られたので様子をみてみます。
写真を撮り忘れましたが、写真右手方向はそのままダム湖までほぼ垂直な崖斜面になっています。「歩危」の名称に偽りなし。
よくぞこのようなところに二車線の国道を敷設したものです。
訪問時は車にうっかりLEDライトを置いたまま来てしまったので、真っ暗な隧道に現れるこれらの洞門区間には本当に助けられました。
真っ暗で少し長めの隧道区間の先が、また明るくなっています。
今度は鉄骨のシェッドも見えているので、いよいよ隧道・洞門の連続区間も終わりになるようです。
外を覗くとダム湖まで一直線。
今までの洞門区間は福島保木3号トンネルの一部としてカウントされていましたが、最後の洞門区間は統合されていないようで、洞門と隧道の接続部分に「福島保木3号トンネル」のプレートが掲げられています。
扁額部分は洞門の覆工と密着して埋まってしまっているので、もはや確認する術はありません。
カーブを描く洞門。隧道前の旧カーブという少々危ない線形なので、道路幅員は少し広めに確保されています。
洞門から先はひたすらスノーシェッドの連続。
しばらくは、H鋼と方杖に古レールを利用したタイプのシェッドが続きます。
制限速度は50キロ。ちょっと怖い気もします。
長くなってしまったので、今回はここまで。
場所はこちら。
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