前回の続き。
大崩落を抜けると、そこには路盤をすべて覆い尽くす仮設の落石防護壁が待っていたのでした。
先の様子が全く見えません。
ひとまず防護壁とガードレールの隙間を歩き始めましたが、刺のある草木が茂っていて歩きづらいことこの上ないので、最終的にはガードレールの上やら外やらを歩きました。
外側は急斜面で谷へ落ち込んでいるので、ちょっと危ないです。まあ先ほどの大崩落とは比ぶべくもないのですが。
防護壁の区間は20mほどだったでしょうか。それほど長い印象はありませんでしたが、何度もぷすぷす棘が刺さり、出血しちゃいましたよ。
防護壁が終わると、今度は路盤がすべてフトン籠に覆われています。その数5段ほど。4~5mくらいでしょうか。
谷方向は余地が少なく通り抜けるのはちょっと怖いです。
仕方が無いのでよじ登ります。
上面は平らで、いきなりこの写真だけ見せられてここが路盤だ、と言われたら信用してしまいそうな感じ。
でも行く手は下り坂になっており、途中からガードレールと本来の路盤が姿を表します。
振り返って。
こんな感じでごく自然に傾斜しているので、こちらからでもうっかりしていると気がつかないかもしれません。
防護壁とフトン籠のエリアを過ぎると、道は平穏を取り戻します。
途中には、なぞのシートと放置車両。かえってこういう物件があるほうが、崩落よりもドキッとしますね。
ワンボックスカーも放置されています。
タイヤがすべて外され、石で無理やり支えられていました。ドアもすべて取り払われて大開放状態。
ワンボックスカーの廃車体の先は大きくカーブをしており、外側には広場らしき空間が設けられています。
公園跡のようにも見えますが、特にそれらしき跡もありませんし、こんなところに公園を造ったところで利用する人もいないので、そう見えるだけなのかも知れませんが…。
カーブをさらに進むと小崩落。
先ほどの大崩落からすると、この程度はかわいいものですね。
しかし、山の上を猿や鹿が通ったはずみなのか、時折ガサガサッという音とともに細かい石がぱらぱら落ちてくるのでヒヤヒヤします。
このあたりは現役といわれても納得してしまうかも。
そしていよいよ廃道区間も終わりに差し掛かります。
奥に見える壁が大網トンネルの北側坑口なのですが、合流直前にもごっそり地盤が持っていかれた場所が。
それにしてもガードレールの支柱ってずいぶん深くまで埋設していますよねえ…。
坑口の向こうに現道が見えてきました。ようやくゴールです。
坑口を振り返って。
前後の区間と比べると不釣合いとしか思えない立派なトンネルです。
洞内は地形図では直線のように描かれていますが、実際には緩くS字状にカーブしています。
坑口左手には銘板がありました。
大網トンネル
1997年3月
静岡県
延長 528m 巾 6.00m
高 470m
施工 大成建設 K.K.
1997年3月の竣工ということなので、廃道後少なくとも16年は経過していることになります。
それにしては、崩落箇所と防護壁の部分以外の落石は、ところどころに大きな石があったりするものの放置していたにしては少ないようにも感じられます。
ホダ木が置かれていたりすることから、もしかすると残存区間については多少は手が入っているのかもしれません。
いずれ崩落の状況など、この時期の情報を調べてみたいと思います。
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