山梨県道23号韮崎増富線 塩川ダム廃道区間 その2

その1からの続きです。

それまでの堆積土砂が嘘のように消え、路盤が復活しました。山側の斜面の地質にそれほどの差異があるとは思えないのですが、とにかくしばらくの間は比較的落ち着いた区間が続きそうな感じです。

ガードレールの傍らには、「大門塩川ダム事務所」のトラ柵が置かれていました。
ダム工事中の遺物でしょうか。

路盤が復活したとはいえ、やはり所々にはそこそこの大きさの落石がみられました。
ガードレールとトラ柵が陥没しているところは、おそらく巨石の直撃を喰らったのでしょう。

来た道を振り返ってみます。
本当に線で区切ったように土砂堆積のある部分と無い部分が明確に分かれています。もしかしたら廃道化に伴って人為的に土を盛ったりしたのでしょうか…。

廃道を歩いていると、かなりの確率で「落石注意」の警戒標識のそばに落石があるような気がします。
まあ標識は落石の危険がある場所に設置されるものなので当たり前といえば当たり前なのですが、裏を返せば現道でも落石注意の警戒標識は、やはり侮れないという事なのでしょうね。

ガードレールと石垣の醸し出す、廃道らしい光景。

長年塩川と増富の集落を結ぶ重要な役割を果たしてきたこの道も、次第に木々に侵食され、自然に帰ってゆくのでしょう。

木製電柱の跡でしょうか。かなり頑丈な基礎に丸太が埋まっていた痕跡がありました。
断面からすると朽ちて折れたのではなく、チェーンソーか何かで切断して撤去されたようです。

前方に崩落がみえてきました。安定した路盤は100mに満たないくらいの距離だったでしょうか。

近づいてみると、かなり状態が悪い崩落でした。ガードレールが川床へ向けて垂れ下がっています。

少し歩を進めてみると、足元の岩が安定しておらず、鋭利に砕けた岩塊が、さらさらと谷底へと崩れてゆきます。

もっとも致命的な区間。
わずか2m足らずではありますが、足場になる部分が全く無く、一枚岩の滑り台のように谷底まで崩落が続いていました。
頼りになるのは破れた落石防護網だけ。いつ設置され、どこが破損しているかも分からない、パンパンに落石をたたえた正体の怪しい金網に全体重を預けて一気に通り過ぎます。

この地点は垂直に近い形で崩落しており、足場が脆く大変危険です。破損した落石防護網を手掛かりとする行為は、劣化による破損などが発生する恐れがあり極めて危険ですので、決して真似をしないでください。

もしここまで探索に来られたとしても、本道についてはここで折り返すことを強くお勧めし、当サイトでは通行は一切推奨いたしません。

無事に渡り終えて。
このあたりから塩川ダムの湛水域となるため、この崩落地がちょうど川と湖の境目といった感じになっていました。

金網伝いに歩いているとかなり高いところまで来てしまったので、復活した路盤へと下りてゆきます。

崩落と植生が入り乱れています。
春先なのでよかったのですが、夏場は葉が覆い茂って状況がよく分からなくなってしまいそうです。

この辺りから、徐々に路盤と湖面との距離が近くなってきているのが実感できます。

ここだけスプーンで掬ったように崩落していました。それでもガードレールは頑強で、崩落前後区間のそれとがっちり結合し、宙吊りになりながらも形を保っています。

きらきら輝く水面と虚空を守り続けるカードレールのコントラスト。

いよいよ湖面に手が届きそうなほど迫ってきました。
この廃道歩きの折り返し地点まで、あと僅かとなってしまったようです。

つづく。

 

[ご注意]
廃道区間は崩落・落石などで大変危険な状態です。当ブログはこの区間への立ち入りを一切推奨いたしません。
また、記載された内容は訪問時点のものであり、自然災害や人為的改変などにより、現状と大きく異なる場合があります。
当ブログを閲覧して廃道区間に立ち入り、事件・事故等に遭遇した場合でも、当ブログ管理者はその責を一切負いません。