いよいよ最終回。
まずは横江駅。
立山駅へ向かう県道8号線をちっと入ったところに、ひっそりと佇んでいます。
正面左手の外壁はモルタルが剥がれ落ち、かなりくたびれています。
この日は非常に日差しが強く暑い日でしたが、待合室は別世界のような薄暗さに包まれています。
あいかわらず出札窓口は閉鎖されて掲示板に。
そしてこちらにもイラストが飾られています。
改札からホームへ向かいます。
手前には一線分の空き地が広がっており、かつては交換駅だったものが撤去されたことが伺えます。
それを証明するホーム待合室の「2番線」表示。
2番線に列車が来ることはありません。
振り返って駅舎を裏側から。
この角度だと民家に見えなくもないですね。
さらに山を登ってゆくと、千垣駅。
県道に隣接していますが、県道側は上り勾配になっているため、駅舎は少し下がったところに建てられています。
木造モルタルですが、県道に面した壁面は、大半がトタンで補強されています。
「驛垣千」の味わい有る駅名表示。
通風孔がデザイン上のアクセントになっています。
道より駅舎やホームが低いので、五段ほどの階段になっています。
階段は弧を描いています。
しかしまあ、よくもこれだけ壁に貼るネタがあるものだ。
改札よりホームの方が若干高いので、二段ほどの段差があります。
だったら駅舎をもうちょっと底上げすればよかったのに、何か理由があったのでしょうか。
ホームには上屋はなく、駅舎の部分だけが屋根付きになっています。
バス停が駅名板に寄り添うように立っていますが、表の県道からかなり奥まっているので、県道からはバス停が視認しづらいです。
…というか、下の写真でバス停立っているのわかります?
さて、いよいよラストの有峰口駅。
いや、本当は上滝線の開発駅と、電鉄富山の隣駅にして工場を有する稲荷町駅にも寄りたかったのですが、時間が足らなくなってしまいました…。
というわけで有峰口。元々は小見という名前だったので、千垣駅に似た駅名表示は、「驛□小」となっていて、「有峰口駅」の表示は軒下になります。
敢えて「驛見小」の表示を架け替えずに残してくれた心意気が嬉しいものです。千垣駅同様、通風孔を上手くデザイン上のアクセントとして採り入れています。
有峰口駅は無人駅ですが、バスの切符売り場になることがあるらしく、出札口はふさがれることなく残されています。
片隅にはぬいぐるみなども飾られ、地元の方々に愛されていることがうかがえます。
ホーム待合室は少々不思議な形状。手前側が一番幅が広く、少し先で幅が狭くなり、最後は壁がな屋根だけになります。
どうも手前側の幅広部分はあとから増築したように見受けられますが、変遷についてもうちょっとよく観察すればよかった…。
駅舎を裏手から。事務室側のファサード装飾は、正面の通風孔をアレンジしたものではなく、全く別の意匠。
細かいところまで凝っていますね。
というわけで駆け足で巡った富山地方鉄道の素敵な駅舎たち。
本来は電車に乗ってひとつずつゆっくり楽しむべきところ、今回は事前調査的な意味合いもあって車でざっと回ってしまいました。
積み残しにした駅もあることなので、今度はゆっくり電車でめぐってみたいものです。電車で回るなら、この古びた駅舎たちの冬の顔というのも見てみたいものです。
おわり。