山形県の羽越本線鶴岡駅と湯野浜温泉の間、12.3kmを結んでいた庄内交通湯野浜線。善宝寺駅はその路線のほぼ中間にあたり、古刹善宝寺の門前という事もあり往時は賑わった駅でした。
湯野浜線は1975年に廃止され、旧駅舎は鉄道記念館として再スタートを切りましたが、こちらも来館者の減少で1999年頃に閉館となってしまい、それ以降はあまり手も入れられず荒廃が進んでいます。
地図にはまだ記念館として載っているようですが…。
場所はこちら。
駅舎は善宝寺を模したデザインで、どっしりと風格があります。
駅舎時代は正面の入口から中へ入ったところに改札があったのでしょうが、記念館となった後は駅舎北側の建屋側から出入りするようになっていた模様。
記念館入り口の柵の前に行くと、朽ちたモハ3号の前頭部分を覗き見ることができます。奥には蒸気機関車の動輪も。
湯野浜温泉側の旧線跡は駐車場となっています。
そちら側からホームを眺めてみますが、生憎松と草が生い茂り、何も見えません。
今から5年前、2007年の8月に訪問したときは、ここまで松が伸びていなくて車両が見渡せたのですが…。
当時の写真ではこんな感じ。
ズームで車両を。こういう風に見えるつもりで再訪したのですが、植物の成長の早さに驚きました。
駅前を見てみると、モダンなデザインの水呑場が。放射状に並ぶ蛇口がなんとなく面白いですね。
そして噴水跡がもの悲しい…。
人魚は何を思い、人も列車も来ない駅前に佇んでいるのでしょうか。
駅舎の裏手を覗くと、小さな木造の小屋が残されていました。もしかして駅便所? 入り口に目隠しの衝立があり、高いところに窓が設けられているあたり、どうもそのように感じられるのですがどうでしょう。
立ち入ることができず確認できないけれど…。
駅から北側へ少し行くと、サイクリングロードが始まります。
これは廃線跡を整備したもので、終点の湯野浜温泉まではこのままトレースすることができます。
そのうち自転車を持ち込んで走ってみたいな。