国道153号現道から分かれて稲武市街へ向かう旧道からちょっと横道に反れたところに、ひっそりとコンクリートアーチ橋が掛けられています。真弓橋です。
表通りから眺めると、そこに橋があると意識していないと見落としそうな佇まい。
近寄って。何かがおかしい…。
そう、コンクリートアーチ橋なのに床版が木製、しかも欄干に至っては仮設足場のような鉄パイプなのです。これでも随分まともになったようで、「うさ★ネコサンド」さんのレポートによると、以前は鉄パイプの欄干すらなかったようです。
全景はこんな感じです。郡界橋と同様に大正期もので、大正9年に愛知県によって建造されたようです。
支柱上部には、建設中の橋脚のようにアンカーボルトが露出しています。かつては幅員いっぱいに木製の床板が渡されていたのでしょうか。
まさかコンクリート床版を建造する予定が頓挫したということでもないのでしょうが、可能性はゼロではないですね。
隣接する畑の所有者の方にお許しを頂いて、川べりまで降りて裏から撮影。
現在の床版、丸太の柱で乗っかっているだけのように見えます。本当に置いただけじゃないだろうな…。
なめらかなアーチの曲線。全体を覆う苔にこの橋が経てきた歴史の重さを感じてみたり。
橋台は石積み。
再び全景。ちょっと不思議な構造ですが、見れば見るほど愛着が湧いてきます。
どうもこの橋をレポートされているサイトでは、いずれも明確な場所を記していないため、私もそれに倣い今回は地図は掲載いたしません。