駅に付帯する便所を、仲間内では「駅便」と称し、観察しています。
駅の便所建築は、小さな限られたスペースながら日本建築のエッセンスが凝縮されており、こういう言い方をすると怒られるかも知れませんが、茶室に通ずるものがあるのではないかと感じている次第です。
郡山から会津若松を経て新津を結ぶJR磐越西線の東長原駅にも、味わい深い駅便があります。
駅舎自体は近年改築されてモダンな感じ。
振り返ると、駅前にはこぢんまりとした駅便所の姿が。
きちんと手を入れられているようで、鼻隠しや衝立などは新しい部材で補修されています。
内部。四基の朝顔小便器が並んでいます。
個室は汲取式の和式便器。個室のスペースは三つ分ありますが、一番奥のこの個室以外は壁で塞がれていてデッドスペースになっています。
天井。内部はあまり手を加えていないようです。
裏手に回って。
臭い抜きの筒は三本突き出ていて個室の採光窓も三組ありますが、前述の通り使えるのは一番奥(写真右手)だけです。
「便所 LAVATORY」という表示がノスタルジーを感じさせてくれます。
場所はこちら。