箱根湯本の温泉街を越えると、国道1号はいよいよ箱根越えの山登りをはじめます。
山へと向かう旅人を迎える門番ともいえるのが、早川に架かる旭橋です。
ここからのごく短い区間に、旭橋、凾嶺洞門、千歳橋と、見ごたえのある土木構造物が連なっています。
この優雅な曲線を描く橋に差し掛かると、「ああ箱根に来たなあ」と思うのは私だけではないのでは。
RCタイドアーチ形式。下流から眺めると、アーチリブが非常に力強く感じられます。
早川を斜めに横断しているので、上流側、下流側でアーチリブはオフセットしています。
左岸下流側の親柱には「旭橋」、「昭和八年六月竣工」の銘が。そして土木学会推奨土木遺産のプレートと、説明文が掲げられています。
左岸上流側の親柱銘板は「早川」、「旭橋」。
歩道部の欄干は、アーチ状に造形された金属板がはめ込まれているようです。
幅員は狭く現代の交通事情では対面通行はできないので、上り車線は上流側に新橋を架橋して対応しています。
滑らかな曲線。
右岸から。上流側にも歩道に供することができるスペースがありますが、前述の通り上流側に新橋が架橋されてしまったため、こちらは現在何も利用されていません。
なにやら花壇のように矩形の枠が設けられているのですが、これは何に利用されていたのでしょうね。
湯本温泉街にも近く、道路が屈曲していることもあり、この付近は渋滞ポイントになっています。
橋梁の撮影には少々難渋するのですが、建設から80年を経た現在もなお、これだけの交通を支えていると思うと感慨深いものがあります。
場所はこちら。