名神高速道路一宮インターチェンジの南側、青木川と国道22号に挟まれた住宅街の中にある交差点の角に立つやや丈の高い櫓。屋根は反り、照りのついた四角形で、頂部には先端が四つ叉になった避雷針と風向計、屋根飾り、蕨手が設けられている。蕨手は一箇所のみ欠損してしまっている。屋根下には半鐘はなく、サイレンが設置されている。
見張台は四角形で、高欄は手摺と下部外縁が等辺山形鋼製、垂直材と水平材が平鋼製で、垂直材は下端が半円状に外側へ張り出している。床版は平鋼を簀状にならべたもの。
脚は四本で、主材と水平材が等辺山形鋼製、斜材が丸鋼をリング式のバックルで締結したもの。各節の接合はプレートにより、主材とはリベットで、水平材は六角ボルト、斜材はプレートに穿孔し材の丸鋼を内側から外側へ折り込んで挿入したものを六角ナットで締結している。
梯子は三段で、いずれも桁内設置。上段の踊り場は、片側だけ張り出しのあるもので、高欄は見張台と同様の構造。滑車が設置されており、手摺部にはホース干し用のL字フックが取り付けられている。下段の踊り場は足場のみの簡易なもので、半鐘が吊るされている。
基部は梯子の出入口部分のみアーチ状の斜材が入れられており、アーチ上部の水平材部分には「名古屋市 昭和29年 杉浦鍛工所 熱田区波寄町六七」と記された製造銘板が取り付けられている。また、基礎の部分に「寄附者 名古屋市 湯浅藤浪 昭和二十九年三月 建設」と刻字された石碑が建てられている。
(2019年6月訪問)
屋根 | □型 |
---|---|
半鐘 | あり |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |