岩津消防団第十一部詰所
屋根 | □型 |
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半鐘 | なし |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |
伊勢湾岸自動車道豊田東インターチェンジから矢作川を挟んだ対岸、 岡崎市北部の細川町にある古村積神社のそばに建つ櫓。屋根は反り、照りのついた四角形で、一般的には主材が屋根の支柱となるべきところ、この櫓では見張台高欄の四隅から隅棟へ向けて支柱が建てられている。頂部には避雷針と風向計が設けられているが、蕨手などの装飾的要素は見られない。屋根裏中心部に吊り金具は装備されているが半鐘は設置されていない。
見張台は四角形で、高欄は手摺と外縁部が等辺山形鋼製、水平材、垂直材が平鋼製。垂直材の間には、平行に並べた丸鋼二本を中間部でクロスさせ、クロス部分にねじりを入れた細かい細工がされた装飾が施されている。見張台は方杖によって支えてられいるが、方杖の先端がカールしている。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をリング式のバックルで締結したもの。各部の接合はプレートを使用しており、主材とはリベットで、水平材とは六角ボルトで、斜材はプレートに穿孔し外側から丸鋼を折り込む形で結合されている。
梯子は三段で、上中下段いずれも桁内設置。上段の踊り場は片側のみバルコニー状に張り出しており、高欄のデザインは見張台に準じたもの。踊り場上部にフック状のものが設置されており、これも恐らく半鐘を吊るすために設置されたものと思われる。下段の踊り場は足場だけの簡素なもの。なお梯子の配置は、各段ごとにそれぞれ90度向きが変わっている。
基部も斜材の構造は他の節と同様で、コンクリート基礎に設置されたベースプレートに結合されているため、櫓本体の下端と基礎の間にスペースがある。また、何かを設置するためのステーのようなものが取り付けられており、かつてはここに消防信号表などが設置されていた可能性が推測される。
(2019年8月訪問)