県道22号を鹿角から大葛温泉へ向かって進む道すがら、黒沢地区の集会所「黒沢自治会館」の敷地内に建つ櫓。屋根は菅笠状の円錐形で、装飾的要素はまったく見られない。見張台は円形で、高欄は手摺と下部外縁が等辺山形鋼製、垂直材が丸鋼製。床面は梯子の出入口部分のみ切り欠きが入っており、その部分には垂直材も設けられていない。半鐘は屋根裏中心ではなく、屋根を支える梁に吊るされている。また、これとは別に基部にも水平材の上に鋼管を渡し、そこに半鐘の竜頭を鋼線で巻きつけた形でもうひとつ半鐘が設けられている。
脚は三本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をX字状に組んだもので、張力調整には枠式ターンバックルを用いている。各節の接合はプレートにより、主材は溶接、水平材は六角ボルト、斜材は丸鋼端部に平鋼の板を溶着し、その板とプレートを六角ボルトで締結している。
梯子は一段で桁外設置。基部はΛ型の斜材の下部に水平方向に補剛を渡したA字型になっている。
(2018年8月訪問)
屋根 | ○型 |
---|---|
半鐘 | あり |
見張台 | ○型 |
脚 | △型 |