秋田内陸縦貫鉄道前田南駅前に小ぢんまりと広がる五味堀地区の中心部に建つ櫓。屋根は浅い円形で、頂部には先端が錐状になった避雷針が設けられ、その中ほどにはC字型の装飾が施されている。
見張台は円形で、床面は梯子の出入口部分のみ切り欠いてある。高欄は手摺部と下部外縁、垂直材の一部が等辺山形鋼製、垂直材には補助的に丸鋼も用いられている。梯子出入口部分のみ高欄は設けられていない。半鐘は無く、屋根裏中心部に、かつて半鐘を吊るしていたであろうフックのみが残存している。
脚は三本で、主材、水平材は等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をX字状に組みリング状のバックルで締結したもの。各節の接合はプレートにより、主材、水平材は丸頭ボルトで、斜材はプレートを穿孔し外側から内側へ向けて斜材の丸鋼を折り込んで挿入した形状となっている。
梯子は一段で桁外設置。基部の斜材は他の節と同様の形態となっている。
(2018年8月訪問)
屋根 | ○型 |
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半鐘 | なし |
見張台 | ○型 |
脚 | △型 |