JR東日本常磐線 小高駅から北西へ2.5kmほどに位置する片草地区の中心部、坂道の途中にある三叉路の角に立つ櫓。屋根は反りのついた、深めの八角屋根で、頂部には先端が三叉になりカールした独特な形状の避雷針と風向計を備えている。また、隅棟には大きく下へ突き出した蕨手が飾られている。半鐘は無く、屋根の支柱部分に手回し式のサイレンが設けられ、屋根裏には消防の赤色灯が備えられている。
見張台は八角形で、高欄は手摺と下部外縁、各角の垂直材は等辺山形鋼製、その他の垂直材と水平材は平鋼製、床版は平鋼を簀の子状に並べたもの。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をリング式のバックルで締結したタイプ。各部の接合はプレートを用いており、主材、水平材、斜材いずれもリベットによる締結。
梯子は二段で、上段が桁内、下段が桁外設置。中間には張り出しのない踊り場が設けられており、下段梯子の出入口部分には、アーチ状の造作がなされている。
基部はアーチ状の斜材が入れられているが、Rのついた部分を除くほぼ全体が主材と斜材によって直結しており、事実上脚が二本の等辺山形鋼で構成された形になっている。
(2019年8月訪問)
屋根 | 8角型 |
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半鐘 | なし |
見張台 | 8角型 |
脚 | □型 |