北上市の南端部、旧奥州街道の県道254号沿いに建つ櫓。屋根は円錐形で、頂部に避雷針と風向計、東西南北の切り抜き文字による方位標を備える他、ひげ状のカールした装飾が見られる。風向計は前半分が失われてしまっており、矢羽部分のみが残存している。
見張台は円形で、高欄は、手摺と下部外縁が等辺山形鋼、垂直材が丸鋼製。床板は平鋼をすのこ状に並べている。柱部分から二本、鋼管を用いたホース干し用の竿が設けられており、双方とも先端には滑車が吊るされている。半鐘は見られないが、屋根裏中心部に吊り金具のみ残存している。
脚は三本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をリング状のバックルで締結したもの。各節の接合はプレートを用いており、主材、水平材はリベットで、斜め材は六角ボルトで締結されている。
梯子は一段で桁外設置。中間に踊り場などは設けられていない。基礎は地表面からやや嵩上げされた逆T字型で、脚はアンカーボルトで固定されたベースプレートに連結されている。
(2018年8月訪問)
屋根 | ○型 |
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半鐘 | なし |
見張台 | ○型 |
脚 | △型 |