閉伊川の河口近く、宮古の市街から国道45号宮古大橋を渡った先の藤原交差点そばに立つ櫓。見張台に屋根はなく、実に7方向に向けて防災無線のスピーカーが設置されている。見張台は四角形で、高欄は全て等辺山形鋼で構成されている。手摺の外縁には鋼管製のホース干し用の竿が全周にわたされている。
脚は四本で、材質は主材、水平材、斜材ともに等辺山形鋼製。各節の接合にはプレートを用いており、いずれも溶接されている。X字状に組まれた斜材の交点部分も、同様にプレートによる溶接。一般的な櫓の場合、脚は上層から下層に向けて裾広がりになるか、垂直のケースが多いが、この櫓では上層と下層がやや広く中間部がくびれた形状をしている。
梯子は一段で桁内設置。海に近い立地であることからか、下層部には「津波・洪水被害到達水位」という看板が掲げられ、1948(昭和23)年9月のアイオン台風、1947(昭和22)年9月のカスリーン台風、20111(平成23)年3月の東日本大震災津波の到達水位が記されている。
(2019年8月訪問)
屋根 | なし |
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半鐘 | なし |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |