川崎市高津区、JR東日本南武線 武蔵中原駅から県道45号丸子中山茅ヶ崎線を西へ2.5kmほど進んだ先、野川交差点そばの第三京浜道路高架下に建つ櫓。非常に不思議な立地たが、第三京浜道路のこの区間の開通は1965(昭和40)年12月で、形態すら推察すると恐らく火の見櫓の方が建造年次は古いものと思われる。但し、もともと火の見櫓があった場所の直上に高架橋脚を設けたのか、それとも高架橋脚架設後に移築されたのかは不明。
見張台は12角形で高欄は手摺、垂直材、下部外縁が等辺山形鋼製、水平材が平鋼製。屋根は無く、頂部には高欄同様の12角形の枠があり、全周にわたって外側へ向けてホース干し用のL字フックが設けられている。位置的に以前は屋根が存在し、枠は屋根の軒桁であった可能性も考えられる。半鐘は設けられていない。
脚は三本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材が丸鋼をリング状のバックルで締結したもの。主材は弧を描かず直線となっており、下二節目で屈折している。各部の接合はプレートにより、主材とはリベット、水平材とは六角ボルト、斜材とは六角ナットで結合されている。
梯子は一段で桁外設置。地表とは接続しておらず下二節目上部までしか設けられていない。
(2020年9月訪問)
屋根 | なし |
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半鐘 | なし |
見張台 | 12型 |
脚 | △型 |