伊那西部広域農道沿い、大萱地区の中心部に建つ櫓。反りのついた四角形の屋根は、頂部に先端がダイヤ状に造作された避雷針とS字型の屋根飾り、蕨手を備えている。また、半鐘は屋根裏中心に吊るされている。
見張台は隅切りされた四角形で、高欄は手摺と下部外縁が等辺山形鋼、垂直材が鋼管、水平材が平鋼製で、水平材と下部外縁の間には平鋼製のS字型の装飾を線対称に配している。床板は平鋼を簀状に配したもの。高欄には消防信号表が設置されている。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材が丸鋼をリング状のバックルで締結したもの。各節の接合はプレートによる。主材はリベットで、斜材はプレートに穿孔し斜材を織り込んだ上で六角ナットで締結している。また、水平材は一般的な六角ボルトではなく四角ボルトを用いて締結されている。
梯子は二段で上段が桁内、下段が桁外設置。中間には張り出しのない踊り場があり、梯子の出入り部分にはアーチ状の造作が施されている。
基部は道路側の面のみアーチ状の斜材が設置されており、トラス状の補助材が入れられている。アーチのある面と階段の上り口の面とは異なっている。
下から一節目の水平材に寄贈者銘板が、二節目の水平材に「伊那市 中原鉄工所 製作」と記された製造銘板が、それぞれ設置されている。
(2018年12月訪問)
屋根 | □型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |