JR東海 飯田線羽場駅の西側、国道153号から県道203号が東へ分岐する丁字路の角に建つ櫓。屋根は設けられていないが、この櫓を撮影したのは2018(平成30)年12月で、同年8月撮影のGoogleストリートビューでは屋根があることが確認されていることから、2018(平成30)年8月から12月の間に屋根部分が撤去されたとみられる。
見張台は隅切りされた四角形で、高欄は手摺と水平材、下部外縁が等辺山形鋼製、垂直材が鋼管製で、手摺と水平材との間には平鋼をX字状に組んだ装飾が、水平材と下部外縁との間にはS字型に造作された平鋼を線対称に配した装飾が施されている。床面は平鋼を簀状に並べたもの。傘のついた裸電球が床に置かれているが、これは本来電球が設置されていた屋根が撤去されたことによるものと思われ、いずれは養生されるのではないかとみられる。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材が丸鋼をリング状のバックルで締結したもの。各部の接合はプレートにより、主材とはリベットで、水平材とは六角ボルトで、斜材とはプレートを穿孔し丸鋼を内側から外側へ折り込んだ上で六角ナットで締結されている。
梯子は二段で上下段ともに桁内設置。中間に張り出しのない踊り場があり、高欄が設けられている。高欄には見張台同様S字型の丸鋼を線対称に配した装飾が施されると共に、鉄板を切り抜いて「辰ノ町 第五分団」(「第」の字は略字)と分団名が掲げられている。踊り場には半鐘が吊るされており、それとは別に床にも半鐘が置かれているが、これは以前屋根に吊るされていたものと思われる。
基部は梯子の出入口部分も含め全て他の節と同様の構成となっており、補剛などは見られない。また、脚下には道祖神や庚申塔が安置されている。
(2018年12月訪問)
屋根 | なし |
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半鐘 | あり |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |