国道181号出雲街道の旧道、古くからの宿場町の風情を今に残し、春にはがいせん桜と呼ばれる見事な桜並木に彩られる新庄宿の北端、御幸橋の袂に建つ櫓。
円錐形の屋根の上には、先端が四つ叉になった避雷針と風向計、東西南北の切り文字による方位標、カールしたひげ飾りなどが賑やかに飾られている。
屋根の優雅さと比べ、見張台は四角形で装飾的要素がほとんど見られない。屋根下には半鐘、床上にはサイレンが設置されている。
脚は四本で、主材は太目、水平材は細めの等辺山形鋼、斜材は丸鋼をリング状のバックルで締結したもので、各節は高さがあまり取られていないため、やや節が多い。
梯子は桁内ではなく桁外を巻くように階段状に設けられており、中間に二箇所直角に曲がる踊り場が設けられている。
基部には「新庄村上町消防団 昭和三十一年四月八日設立 施行主 鳥飼兼義 製作者 藤田熔接鉄工所 津山市鍛治町」と記された分団・製造銘板が掲示されている。
(2014年11月訪問)
屋根 | ○型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |