古長谷の火の見
屋根 | □型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |
富士川と早川の合流地点である飯富地区から西北西へ約5kmほど、山間部の古長谷地区に建つ火の見櫓。上部は鉄骨製、下部はコンクリート製という珍しい造りで、さらに2014年8月時点のGoogleストリートビューでは、建屋の中に櫓が取り込まれる唯一無二と言っても良い特徴的な外観であったが、現在は建屋が取り壊され櫓のみが残存している。
屋根は反りのついた深めの四角形で、頂部には避雷針と風向計が設けられている他、隅棟には蕨手がみられ、半鐘は屋根裏中心部に吊るされている。
見張台は四角形で、高欄は手摺と外縁部が等辺山形鋼製、垂直材、水平材が丸鋼製。垂直材の間にはS字を線対称に配した装飾が施されている。
上部二節が鉄骨造で、鉄骨部分は四本脚。主材と水平材が等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をリング状のバックルで締結した形状となっている。各部の接合はプレートにより、主材とはリベットで、水平材とは六角ボルト、斜材とは六角ナットでそれぞれ締結されている。
コンクリート部分との接合は、本来基礎に埋設されているベースプレート状ののがコンクリ柱上部に設置されており、そこへ鉄骨部分が共締めされている。
コンクリート柱部分の下部は開口しているが人の出入りできるほどのスペースはない。
もともとは下部は建屋に組み込まれていたため、梯子はその屋根を避けるように設けられている。櫓本体に接する部分は鉄骨鋼体と同様の梯子が設けられているが、建物を避けていた部分はアルミ製の折り畳み式脚立を転用したようなものになっている。
(2021年12月訪問)