村久野の火の見
屋根 | □型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |
県道154号村久野交差点のやや北側に立つ櫓。若干照りのついた浅めの四角屋根は頂部が円筒形になっており、かつては屋根飾りが見られたものと思われる。四隅にはやや太目の蕨手。
梯子は二段で桁内設置。中間に大きく張り出した踊り場があり、半鐘は見張台ではなく踊り場部分に吊るされている。
基礎は周囲の地盤より50cm近く嵩上げされている。梯子への出入り部分には銘板が掲げられているが、一般的に見られる製造者や寄贈者銘を記したものではなく、「火の見櫓再建之譜」と題された、この櫓の由緒を記したものとなっているのが珍しい。一部判読できない箇所があるが、全文を記載する。
火の見櫓再建之譜
維時大正十四年内親王殿下御生誕記念として壬辰同年会二十名の篤志により寄贈された鉄製火の見櫓は昭和十八年戦争酣となり四本の鉄脚尺余を残し鉄材として供出を余儀なくせられたり 爾来之に代うるに杉丸材の火の見にて用を足したり□が年を経て老朽倒壊に瀕したり 依而客年来再建の議興り本年に至り真の機運漸く熟し講和独立の年を□し区民の熱烈なる郷土愛と自主的協力に依り残存せる土台を基として鉄材二噸工費十七万円余高さ十間の火の見櫓を茲に再び建設するを見るに至れり
昭和二十七年九月吉日 村久野区
製作者宮田町八橋鍛治工場