国道20号沿い、金沢地区の南部に建つ櫓。甲州街道の江戸寄りにあたることから金沢地区の上手の位置づけで、分団の班も「上班」とされている。櫓は現代的なデザインながら、屋根は浅めの四角錐状で、頂部に先端がダイヤ状になった避雷針とS字型を組み合わせた装飾を載せた旧来の櫓のスタイルを踏襲している。屋根板は横葺きになっている。なお、半鐘は屋根裏中心に吊るされている他、下段の踊り場にも設けられている。
見張台は四角形で張り出しはなく、高欄は手摺部が平鋼製、垂直材が丸鋼製で、装飾的な要素は見られない。
脚は四本で、主材は太目の角型鋼管製。水平材はH鋼を用いており、水平材は中間で分割されており、プレートを介して丸頭ボルトで締結されている。主材、水平材ともにかなり太く強度があるからか、斜材は存在しない。主材と水平材の接合は溶接よる。
梯子は二段で上段が桁内、下段が桁外設置。下段は直接地表に降りるものと、隣接する詰所二階に通じるものの二つ用意されている。上段の梯子の中間部分に、踊り場ではないが足場と高欄が設けられており、遠目には踊り場が二段あるように見える。上段の足場のみの部分にホース干し用の竿が設けられている。梯子の手摺と足場部分には、滑り止めのためか荒縄が巻かれている。
(2018年12月訪問)
屋根 | □型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |