火の見櫓図鑑

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大池の火の見

火の見櫓

 国道20号、金沢地区と木舟地区の中間辺り、長野精工金沢工場の看板のある交差点を南西へ進んだ先の大池地区に建つ櫓。傾斜地の宅地に挟まれた墓地の敷地内に位置している。屋根は反りのついた六角形で、頂部には避雷針と風向計、S字型を組み合わせた装飾が設けられており、隅棟には蕨手がある。半鐘は屋根えら中心に吊るされている。
見張台は円形で、高欄は手摺と下部外縁が等辺山形鋼、垂直材が丸鋼、水平材が平鋼製で、二本ある水平材の間には円形の装飾が、水平材より下部にはS字を線対称に配した装飾が施されている。手摺にはホース干し用のL字フックが設置されており、床板は平鋼を簀状に並べたもの。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をリング状のバックルにボルトで締結したタイプ。各節の接合にはプレートを用いており、主材はリベットで、水平材は六角ボルトで、斜材は六角ナットでそれぞれ締結されている。
梯子は二段で、上段が桁内、下段が桁外設置。中間には張り出しのない踊り場があり、高欄は手摺と垂直材のみのシンプルなデザイン。見張台部のみアーチ状の斜材となっている。踊り場にも半鐘が吊るされており、半鐘を吊るす金具は先端が唐草状に装飾されている。
基部はアーチ状の斜材が設けられており、水平方向と斜め上方に向けて補助材が入れられている。墓地への通路になっているのか櫓をくぐる形で地面に踏み跡がついている。
脚には「甲府市イセ町 TEL三六二九番 中村ポンプ工場 昭和□年□月建設」と記された製造銘板が掲げられている。年号の部分は恐らく文字を打刻していたと思われるが、もともと打刻されていなかったのかペンキに塗りつぶされてしまったのか、記入された年号は確認できなかった。

(2018年12月訪問)

屋根 6角型
半鐘 あり
見張台 ○型
□型

全景 見張台 屋根 見張台高欄 踊り場 基部 製造銘板

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