国道20号木舟交差点の約100m北側、幅の狭い市道を東に入った先にある公民館の前に建つ櫓。道路を跨ぐように建造されているのがひときわ目立つ特徴。屋根はあまり反りの無い六角形で、頂部には避雷針と鏃の部分が円形になった風向計、S字型を組み合わせた装飾が設けられており、隅棟には蕨手があしらわれている。半鐘は屋根裏中心に吊るされている。
見張台は円形で、高欄は手摺と下部外縁が等辺山形鋼、垂直材が丸鋼、水平材が平鋼製。水平材は二本あり、間の部分には円形の装飾が、水平材より下の部分にはS字型を線対称に配した装飾がそれぞれ施されている。床面は平鋼を簀状に並べたもので、サイレンが設置されている。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材はリング状のバックルで締結したもの。各節の接合はプレートにより、主材はリベットで、水平材と斜材は六角ボルト・ナットで締結されている。
脚は途中までは下部に行くにしたがって裾の広がりが大きくなる曲線を描いており、途中からは道を跨ぐために垂直になっている。
梯子は三段で、上段と中段が桁内、下段が桁外設置。上段の踊り場は張り出しが無く高欄のデザインもシンプルなもので、斜材はアーチ状の造形がなされている。下段の踊り場は脚が曲線から垂直に変化する箇所に位置しており、簡単な足場のみとなっている。なお下段踊り場にも半鐘が設置されており、唐草状の装飾が施された竿に吊るされている。
基部は前述の通り公道を跨ぐため垂直で広く、高くクリアランスが取られており、上部はアーチ状の斜材にトラス状の補助材が入れられており、下部には水平材が渡されている。丈の高い車両が衝突したのか、国道側の水平材は変形してしまっている。基礎はコンクリート橋の高欄のような形状となっている。
(2018年12月訪問)
屋根 | 6角型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | ○型 |
脚 | □型 |