火の見櫓図鑑

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御射山神戸の火の見

火の見櫓

 国道20号沿い、JR東日本 中央本線すずらんの里駅の西方、直線距離で350mほどの御射山神戸地区に建つ櫓。屋根は反りのついた六角形で、頂部には避雷針と風向計が設けられており、避雷針の根本部分には平鋼をS字状に加工した装飾が施されている。また、隅棟には蕨手が備えられている。半鐘は屋根裏中心部に吊るされている。
見張台は円形で、高欄は手摺と下部外縁が等辺山形鋼製、水平材が平鋼製、垂直材が鋼管(一部は太目の平鋼)製。水平材の間には、平鋼を円形に加工した装飾が、下側水平材と床面の間には垂直材を中心としてS字状に造作された平鋼製の装飾が、それぞれ施されている。床板は平鋼を簀の子状に並べたもの。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をリング状のバックルで締結したもの。各部の接合はプレートを用いており、主材とはリベットで、水平材と斜材とは六角ボルトで締結されている。
梯子は二段で上段、下段共に桁内設置で、手摺、足場ともに転落防止と冬季の凍結防止を兼ねてか麻縄が巻きつけられている。中間の踊り場は梯子の昇降面のみ僅かに高欄が張り出しているが、基本的には桁内に収まっている。高欄は手摺が等辺山形鋼、垂直材が鋼管の質素なデザイン。また、梯子昇降面のみ斜材がアーチ状に造作されている。踊り場にも半鐘が設けられており、吊り具の先端がカール状に装飾されている。
基部の斜材はΛ型の頂点部分がアーチを描いた形状で、主材との間にはワーレントラス状の補剛が入れられている。
一節目の水平材には「寄附者 細川小三郎」の寄贈者銘板が、通りから向かって正面左手の主材には「甲府市イセ町 TEL三六二九番 中村ポンプ工場 昭和三十三年四月建設」と記された製造銘板がそれぞれ掲示されている。

(2020年1月訪問)

屋根 6角型
半鐘 あり
見張台 ○型
□型

全景 見張台 屋根 見張台高欄 踊り場 脚部 基部 寄贈者銘板 製造銘板

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