JR東日本小海線 野辺山駅前通り沿いに建つ櫓。屋根は浅めの八角形で、頂部には先端が四つ叉になった避雷針と屋根飾りが見られる。また、見張台から屋根の四方に向けて柱が立てられ、網目状の板が張られているのだが、用途は不明。屋根直下にはサイレンが設けられており、その直下に半鐘が吊るされるという二重構造になっている。
見張台は円形で、手摺部が鋼管、水平材が平鋼、垂直材が丸鋼製で、ホース干し用のフックが手摺部分に取り付けられている。
脚は四本で、主材、水平材は等辺山形鋼、斜材は上五節が平鋼をX字状に組んでボルトで締結したタイプで、下四節は丸鋼をリング状のバックルで締結したものとなっている。
梯子は二段で桁内設置。中間には桁から外側へ張り出した踊り場が設けられている。
櫓下半分外縁には、基部にアーチ状の斜材を用い、斜材をリング状のバックルで締結した外枠のようなものが設けられており、一見すると櫓全体を支える補鋼にも見えるが、櫓本体とは見張台の下部を支える箇所でしか接続しておらず、櫓が入れ子になったような構造になっている。こちらも屋根四隅の網板同様、用途は不明。外見的にはかなり異彩を放った存在といえる。
(2016年12月訪問)
屋根 | 8角型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | ○型 |
脚 | □型 |