大井川鐡道日切駅の西方約450m、番生寺地区の市道沿いにある消防団詰所の裏手に建つ櫓。屋根は静岡県に多く見られるむくり屋根で、屋根板が失われ骨組みが露出した状態となっている。頂部には、先端が菱形になった避雷針と、カールのついたS字型を組み合わせた屋根飾りが設けられている。また、軒にはうろこ状の軒飾りがあしらわれている。半鐘は屋根裏中心部に吊るされている。
見張台は手摺部が円形、床版は基本的には円形だが両端が直線状にカットされた形状をしており、高欄は手摺部が鋼管製、水平材、垂直材が平鋼製。手摺部は円弧上に外側へ向けて張り出している。床版は平鋼を簀の子状に並べたもの。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材が平鋼製。各部の接合はプレートを用いており、いずれもリベットによって締結されている。斜材はX字状に組まれており、交点はリベット留めとなっている。
梯子は二段で上段、下段ともに桁外設置。櫓本体から垂直方向に向けて設置されており、中間の踊り場部分で方向転換をしている。踊り場の高欄は見張台と同様のデザイン。
基部は最下節は他の節と同様に斜材がX字状に組まれたもので、その一段上の節は一般的な櫓の基部のように斜材がΛ型で水平方向と斜め上方に補剛が入れられたものとなっている。最下節と二節目との間には、主材にジョイントが設けられていることから、建造後、後年下一節分嵩上げが行われた可能性も推測されるが詳細は不明。基礎部分はコンクリートに完全に埋設されている。
隣接する消防団詰所の壁面には鉄製の消防信号表が掲示されている。
(2019年12月訪問)
屋根 | □型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | ○型 |
脚 | □型 |