烏山から矢板へと抜ける県道25号沿い、月次地区に建つ櫓。屋根は八角形で、頂部には細かい装飾が施され、先端が錐状になった避雷針、風向計、蕨手などが設けられている。軒下の欄間部分にはアーチ状の方杖が設けられている。半鐘はなく、屋根下にはサイレンが設置されている。
見張台は八角形で、高欄は手摺部分が等辺山形鋼製、水平材、垂直材ともに平鋼を用いており、唐草状の装飾が細やかに施されている。主材からホース干し用の滑車が両側に取り付けられているのが目に付く。
脚は四本で、主材、水平材は等辺山形鋼、斜材は丸鋼をリング状のバックルで締結したもの。各節の接合はプレートにより、主材、水平材はリベットで、斜材はプレートに穴を開け丸鋼を穴を通して折込む形を採っている。
梯子は三段で、上二段が桁内、下一段が桁外設置。上段の踊り場は若干張り出した踊り場があり、上部にX字状の、下部に唐草状の装飾がされている。下段の踊り場は方杖部分に唐草状の装飾があり、梯子出入口上部がアーチ状に造形され、下部には欄干が設けられている。
形状から推察すると栃木県から福島県にかけて広く火の見櫓製作を行っていた林鉄工所製と思われるが、銘板がなく正確な製造所は不明である。
(2016年10月訪問)
屋根 | 8角型 |
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半鐘 | なし |
見張台 | 8角型 |
脚 | □型 |