JR東日本 烏山線大金駅北東部、南大和久地区の県道233号から一本路地へ入ったところに建つ櫓。屋根は底が浅くやや反りのついた八角形で、頂部には、先端が錐状で細やかな装飾が施された避雷針と風向計、蕨手が設けられている。半鐘はなく、屋根下にはサイレンが設置されている。
見張台の高欄干は手摺部が等辺山形鋼、水平材が平鋼、垂直材が平鋼と丸鋼を交互に用いたもので、全体に唐草状の装飾が施されている。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材が丸鋼をリング状のバックルで締結したもので、各部の接合はプレートにより、主材と水平材はリベット締結、斜材はプレートに穿たれた穴に材の丸鋼を折り込んでいる。上部踊り場部のみ斜材が省略されている。
梯子は三段で、上二段が桁内、下一段が桁外設置。上段の踊り場は前述の通り斜材がなく、角に若干のRを持たせた張り出しのある踊り場が設けられており、欄干部には唐草状の装飾がなされている。下段の踊り場は階段出入口部がアーチ状に造形されており、Rの隅の部分に唐草状の模様があり、また出入口両脇にのみ設けられた欄干にも同様に装飾が設けられている。
梯子出入口上部には扁額のように製造銘板が設置されており、「増渕工業所 宝積寺駅前」と記されている。形状としては林鉄工所のそれに近いが製造元は異なる。
基部はハの字型の頂点がアーチ状なった斜材が設けられており、そこから主材へ向けてジグザグ状に補剛が入れられている。
(2016年10月訪問)
屋根 | 8角型 |
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半鐘 | なし |
見張台 | 8角型 |
脚 | □型 |