国道286号南側の市道沿い、妙見寺地区の公会堂の向かいに建つ櫓。屋根は反り、照りのついた四角形で、頂部には先端が四つ叉になった避雷針と風向計、S字状の屋根飾りが設けられており、その基部は五重塔の覆鉢、露盤のような造形になっている。
見張台は四角形で、高欄の外縁部と手摺部は等辺山形鋼製、水平材は平鋼製、垂直材は丸鋼製で、水平材より上部には丸鋼をカールさせた装飾が、下部には斜材がそれぞれ設けられている。手摺部にはL字型のホース干し用の金具が設置されている。また、半鐘は屋根には吊るされておらず見張台床面に置かれている。
脚は四本で、主材と水平材が等辺山形鋼、斜材が丸鋼をリング状のバックルで締結したタイプ。各部の接合はプレートにより、主材、水平材、斜材ともにリベット留め。斜材はリベットで留めるために丸鋼の根元にΩ型の金具に溶着し、その金具がプレートを挟み込むようにして締結されている。
梯子は三段で、上二段が桁内、下一段が桁外設置。踊り場は上部、下部ともに張り出しはなく、等辺山形鋼製の手摺と丸鋼製の垂直材で構成された高欄が設けられている。梯子にも手摺が設けられている。
基部はアーチ状の斜材が設けられており、その上にラチス梁が水平に渡されて強度を高くしている。
ラチス梁の部分に消防信号表が掲示されている他、「火乃用心 山形縣 消防協会 火防推進協力会 村山鉄工所 山形市宮町 酒田市新町」と記された、琺瑯製の製造銘板が掲示されている。
(2017年5月訪問)
屋根 | □型 |
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半鐘 | なし |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |