富士吉田市消防団第十四分団
屋根 | □型 |
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半鐘 | あり |
見張台 | 〇型 |
脚 | □型 |
富士急行 吉田駅から直線距離で西へ約500mほど、中央自動車道富士吉田線にほぼ隣接する如来寺へ至る市道の上に建つ櫓。屋根は浅めで大きく反りのついた四角形で、頂部には先端がダイヤ形になった避雷針が設けらている。また、避雷針の中ほどには風向計らしき矢型の器具が取り付けられているが、避雷針に溶接されてるため一般的な風向計とはやや異なる形態となっている。訪問時に指していた方向は東北東で、方位標とは考えにくく、避雷針の基部が可動しそうな形状になっていることから、避雷針ごと回転するように設計されているとも推測される。避雷針・風向計の他にはやや大きめの蕨手が設けられている。半鐘は屋根鰓中心部に吊るされている。
見張台は円形で、高欄は手摺と下部外縁が等辺山形鋼製、水平材が平鋼製、垂直材が丸鋼製。二本ある水平材の間には丸鋼を円形にした装飾が、また下の水平材と下部外縁との間には垂直材を中心にS字型を線対称に配した細かい装飾が施されている。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材は丸鋼をリング式のバックルで締結したもの。各部の接合はプレートを用いており、主材はリベットで、水平材、斜材は六角ボルトで締結されている。
梯子は二段で、上段が桁内、下段が桁外設置。桁内1/2ほどのスペースに足場と等辺山形鋼製の手摺、丸鋼製の垂直材を用いた高欄が設けられた踊り場が設置されており、桁内から桁外への出入り部分はアーチ状の造作が施されている。
基部はこの櫓の最も特徴的な部分で、市道を跨ぐように造作されている。トラックのような箱型車両を通行させるためか、上部に膨らみを持たせた曲線を用いて通行スペースを確保しており、やや狭く見えるが3ナンバーの普通車でも問題なく通行できる。この部分には補剛が入れられており、主材との間にはワーレントラス状に入れられている。なお、道路を跨ぐ火の見櫓は、同じ富士吉田市内の「富士吉田市消防団第十八分団」をはじめ、全国でも数例しかない珍しいもの。
(2020年1月訪問)