汲沢地区の中心部、汲沢交差点と中村三叉路交差点の間にある三角地帯の中に建つ櫓。屋根は、かつては鋼製のものを頂いていたと思われるが、現在は平板なポリカ波板で代用されている。屋根裏には5方向へ向けてスピーカーが設置されており、半鐘は見られない。
見張台は四角形で、高欄は手摺部と水平材が太めの鋼管製、垂直材が細めの鋼管製。装飾的要素のないシンプルな造り。
脚は四本で、主材、水平材、斜材ともに等辺山形鋼製。斜材はワーレントラスに水平材を加えたスタイル。各部の接合にはプレートを用いており、いずれも六角ボルトで締結されている。下から三節目の斜材はX字状、二節目はV字状、最下節はΛ型となっており、下二節で水平材を加えたX字型を形成している。
梯子は二段で、上下段ともに桁内設置。中間には四方に張り出した踊り場があり、高欄は見張台と同様のデザイン。
基部は前述の通り最下節はΛ型の斜材が渡されている。水平材の部分に「贈 有限会社富士見屋不動産部 代表取締役社長 森 今吉 昭和□年□月□日」と記された寄贈者銘板が掲示されている。銘板には会社の社紋と思われる富士山をあしらった意匠が描かれている。年月日の表記の部分は数字を刻字できるようになっているが、見た限り字は刻まれいない模様で、正確な建造年次は不明。脚下には母子地蔵と思われる仏像を祀った祠と、汲沢の中心地であることを示す「旧汲沢村元標」と記された石碑が設置されている。
(2019年11月訪問)
屋根 | □型 |
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半鐘 | なし |
見張台 | □型 |
脚 | □型 |