火の見櫓図鑑

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絵葉書の中の火の見櫓

日本の絵葉書は、1900(明治33)年に私製郵便葉書の使用が認められたことに端を発し、日露戦争を題材とした絵葉書がブームとなったことから、広く一般に浸透していった。
絵葉書には美人や産業、名所旧跡など様々な題材が選ばれ、あるときは町の風景の一部として、またある時は絵葉書の主役として、火の見櫓も取り上げらている。

ここでは、管理人が収集した火の見櫓が登場する絵葉書をご紹介する。

絵葉書一覧

秋田市 大町通り (秋田旭秋倶楽部發行)

「秋田市 大町通り (秋田旭秋倶楽部發行)」と記されている。
煉瓦造の洋風建築の対面に櫓が見える。望楼には壁面があり、半鐘は軒下に吊るされている。

放水ノ實況 (今福消防署)

「放水ノ實況 (今福消防署)」と記されている。
横の庁舎と比較すると5階建相当で、中間に踊り場が三箇所設けられていることから推察すると、高さ20m程度の比較的高層のものと思われる。

新築凾館消防本部全景 THE FIRE-BRIDGE STATION. (小島大盛堂發行)

「新築凾館消防本部全景 THE FIRE-BRIDGE STATION. (小島大盛堂發行)」と記されている。
望楼は壁が設けられており、半鐘は軒下に吊るされている。推定高20m程度で、中間に踊り場が二箇所設けられている。

甲州下部温泉 天狗岩

「甲州下部温泉 天狗岩」と記されている。
川べりの景勝地に立てられた櫓で、写真の櫓は戦時中に金属供出で失われた。現在は二代目の櫓が1970(昭和45)年に同じく天狗岩の上に立てられており、現在の櫓の基礎の下にややオフセットして旧櫓の基礎が残存している。

鐵骨火の見櫓(市内に数箇所設置し有り)

「鐵骨火の見櫓(市内に数箇所設置し有り)」と記されている。
「市内」とあるが、地名が全く記されていないためどこのものかは不明。望楼は壁面のあるもので、踊り場は一段。さほど高くない櫓と思われる。

(土浦名所) 川口町より本町通りを望む

「(土浦名所) 川口町より本町通りを望む」と記されている。
川べりに細身のシルエットの櫓が立っている。屋根は反りがついており、かなり深め。

謹賀新年 昭和十四年一月元旦

絵葉書とするのが適切か不明だが、鉄工所が年賀状用に火の見櫓の写真を印刷したもののようだ。
基部に半纏をまとった消防団員らしき人々が写っていることから、竣工記念写真と思われる。

古山鐵工所

前項の年賀状の表面。福島県二本松の鉄工所で、「ペント式金庫並 倉庫用防火鐵扉 建築金物及ビ 鐵骨火の見櫓 鐵骨類一式製作」と記されている。