奥多摩ロープウェイ
山奥の湖畔に、その兄弟はひっそりと暮らしている。
かつては毎日のように顔をあわせていた二人は、恐らくもう二度と出会うことはないのだろう。
まるで時が止まったかのように、いつまでも来ることのない客を待ち続けている二人。
赤と白の身体は色褪せているが、今も彼らはそこにいて、私のような訪問者に、決して色褪せることのない思い出を与えてくれる。
レジャーという名の下に、多くの山々が切り開かれ、幾多もの施設が建設された。そして、大量消費の時代の流れに抗う事もできず、その大半は時が過ぎれば忘れ去られ、ただ朽ち行くのを待つだけ。
行楽の舞台であった場所だからこそ、朽ち果てた姿には悲しさと切なさを強く感じてしまう。ただ、彼らがそこに存在し続ける限りは、たまには会いに行きたいな…。そんな思いに駆られてしまうのである。
ご注意
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