火の見櫓図鑑

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半鐘

 火事や洪水など、災害を発見・告知するという火の見櫓の機能の中で、最も重要な役割を担っているのが半鐘である。

 災害発生時に消防信号を打鐘することにより、市民は警戒体制へ、消防組織は出動体制に入り、更には集落内だけでなく近隣集落へも災害の発生を知らしめるなど、初動を司るのが半鐘に課せられた役目である。

 現在では防災無線にその役割を譲り、半鐘が撤去されてスピーカーやサイレンが設置され次第に数を減少させつつあるが、火の見櫓のシンボルとして半鐘が残存していることも多い。

 金属価格高騰により、近年各地で金属盗難事件が相次いでいるが、半鐘もそのターゲットとなり、盗難被害に遭う事件も多く報告されており残念である。

全体

帯や乳、撞座のある、もっとも鐘らしい伝統的な形状。
(岐阜県高山市)

つるりとした外形が特徴の鋳鉄製半鐘。比較的新しいものと思われる。「中山式半鐘」というラベルの貼り付けられたものを見たことがあるが、この形状の半鐘の商標かどうかは不明。
(愛知県大治町)

筒状のシンプルな半鐘。どちらかというと形状や構造はカウベルに近い印象。
(秋田県鹿角市)

よく見かける鋳鉄製の半鐘に類似しているが、竜頭のある笠形部分が円丘状ではなく平らになっている。
(山梨県中央市)

半鐘ではなく双盤が用いられている例。塩尻市周辺で数件見かけられた。
(長野県塩尻市)