高山市中心街の商店や民家が密集する中に、隠れるように佇む山桜神社に建造された火の見櫓。
山桜神社の火の見櫓ではあるのだが、神社の境内は非常に手狭で、神社側からは死角が多く櫓の全体像を観察することができない。
1932(昭和7)年に建造されたこの櫓は、社殿南側の木造平屋建小屋の梁上に設けられており、高さ7mほどの三層建の望楼には、1881(明治14)年製の半鐘が吊るされている。
山桜神社は、明暦の大火の折に江戸詰めであった高山城主金森頼直が火に包まれたところを、大火に身を投じた名馬「山桜」がこれを救ったとして、その山桜を祀るために建立されたもので、火伏せの神として信仰を集めており、このことが神社内に火の見櫓が建立される一因となっている。
特に登録有形文化財であることを示す案内板なども見られず、高山の町歩きをしていても注意していないと見落としてしまうかもしれない。
表の通り側から見ると、商店の屋根に設けられているようにも見える。
ガラス戸のついた望楼。写真では分りにくいが、内部には半鐘が吊るされている。
神社の境内は両側に商店が迫っており、上空が開けていない。そのため櫓も建物の影になっており、残念ながらこちら側からは、ほとんど全体を見渡すことができない。
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