黒石市の中心街、藩政時代から今に至るまで木造のアーケード街が残る日本の道百選にも選ばれた「こみせ通り」に程近い路地に立つ、木造の消防屯所。
東北地方では、このように木造の消防団詰所、消防倉庫の屋根に望楼を備えた「屯所」と呼ばれる建築物が多く、各地で同様の形態を持つ建築物を見る事ができる。
中でもこの「黒石消防団第三分団屯所」は、1924(大正13)年に建造された歴史を持つ屯所で、上層に唐破風様の屋根を頂く望楼がひときわ目を引き、重厚な佇まいを今に伝えている。
黒石市内には、さして距離をおかずに同様の屯所がいくつか現存しており、それらを巡るのもまた楽しい。
唐破風屋根の上には、鉄骨造の櫓と同様に、避雷針や風向計が設けられている。ガラス戸の奧には半鐘も顔を覗かせている。
うろこ状の壁や○に中の紋が、より一層建物の風格を増しているようにも感じられる。
傍らに立てられている文化財としての意義を説明する看板。
当初はバルコニー付きであったが、後に消防自動車の配備に伴い一階部を増築した事により、バルコニーが撤去された事などが記されている。
黒塗りの重厚な木戸。閂も現役のようだ。
この奧には、現在も消防車が収められている。
屯所の敷地内に、背比べをするように並び立つ鉄塔。
こちらは火の見ではなく、ホース干しのために建造されたもの。
Home | 文化財の火の見櫓Top | PageTop