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Canon NewF-1AE 

 キヤノンMFユーザーにとって、F-1といえばいつかは所有したいカメラ。そして私も、そんな憧れを抱くユーザーの一人だった。それだけに、手に入れた時にはやっとという思いと共に身が引き締まる思いすらした。

 しかしながら、元々欲しくて欲しくてたまらなかったのか、というとそういう訳でもない。消費電力や露出モード、モータードライブを含めた重量など総合的なスペックでは、正直に言ってF-1はT90よりも劣っている部分が多い。それゆえ私の心の中では、もう一台サブのT90を手当てしたいという気持ちの方が強かったのだ。そんな私がF-1購入に踏み切ったのは、やはり目の前にある山の様なFDシステムの将来に、漠然とした不安を抱いていたからに他ならない。

 いくらT90が機能的に申し分無く、私にとって最高のパフォーマンスを提供してくれるとはいえ、電子カメラの宿命として各部品の老朽化が進み基盤や電子部品に不具合が発生すれば、メーカーの修理責任期間が過ぎているが故に即修理不能、ジャンク品となってしまう。それに引き換えF-1であれば、メカ的機構の部分も多分に残されているし、プロ用の機材でもある事からある程度の期間はリペアにも応じてもらえる。つまり、他のカメラが全て使えなくなっても、F-1さえ持っていれば沢山のレンズを死蔵する、という悲しい結末は避けられるのではないかと感じたのだ。

 まあ、実際にはそれだけではなくて、EOSユーザーの友人がインターネットのオークションサイトでEOS-1を安価で入手し、それを自慢されたのが悔しかった、という理由もあるのだけれど(笑)。

 それはさておき、やはりフラグシップ機という事で、各部の作り込みの細かさと堅牢さは、「酷使にも耐えうる」という安心感を与えてくれる。そしてその「安心感」こそが、フラグシップ機のフラグシップたる所以なのだろう。

 比較的安価な中古品を購入した為に、写真では判り辛いが角という角には真鍮の地肌が露出し、AEファインダーにも傷が多く見られるなど、外観程度はお世辞にも良好とは言えない。それでも何事も無かったかの様に淡々と機能を全うする実直なカメラ…。

 我が家の銀塩システムメインの座はT90に譲るとしても、いざという時に一番頼りになるのは、やはりF-1なのかもしれない。

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