山間部では、河川に沿った場所は見通しの良い場所も多く、火災発生時に半鐘の音を近隣集落に伝えるのに適している場合が多い。
また、川沿いの地域においては火災と共に水害の危険とも隣り合わせになっており、水防機能を火の見櫓が併せ持つことになる。
「地理的条件」のページでも例示した通り、水害の多い地域では、川に寄り添った場所に火の見櫓が建造される例が多くみられ、またそのような場所の櫓に掲示された消防信号表には、水防信号の打鐘パターンを併記したものも見られる。
堤防への立地例。
北上川の支流迫川の堤防に建てられている。迫川はこの周辺に若柳狭窄部と呼ばれる河道の狭い箇所があり、さらに周辺が低平地であることから改良が進められたが、櫓は水害に対する備えとして残され、機能しているようだ。
堤防への立地例。
名古屋市北部を流れる庄内川の外縁部の堤防に建てられている。堤防の内側は緑地公園になっており、緑地公園と河道の間にも堤防は設けられているが洗堰となっており、洪水時には緑地公園は調整池として水没する。水害時には相当量の水が緑地公園に流入することから、警戒のために設置されているものとみられる。
※既に撤去済みです。
川沿いへの立地例。
通常は川の流れの障害となるため河道外に建てられるが、ここでは蟹江川の河道に半身を乗り出す形で建てられている。周辺一帯はゼロメートル地帯であるため、「地形的条件」のページでも解説した通り、周辺には川沿いに非常に多くの櫓が建てられている。
※既に撤去済みです。
川沿いへの立地例。
肱江川沿いの集落に建造されている。肱江川はこの櫓の立つ猪飼地区よりさらに下流部では浸水想定区域に指定されている箇所もある。
※既に撤去済みです。