火の見櫓の立地として最も一般的といえるのは、集落内の道路沿い、交差点である。災害発生時にはいち早く周囲に伝達する必要があるため、集落内からアクセスしやすい目抜き通り沿いが選ばれるケースが多い。
このような場所は火の見櫓が立てられる前から、道祖神や祠、常夜灯などがあることが多く、火の見櫓の足元にそれらが安置されている例も多く見られる。
街道筋の分岐路に立地する例。
国道1号東海道と路地との三叉路に立っており、基礎の部分には道祖神などの石造が多数祀られている。
※既に撤去済みです。
主要国道沿いに立地する例。
山形県を縦貫する国道13号沿いの非常に交通量の多い場所に立てられている。この周辺の国道13号は、拡幅されているものの元の羽州街道にあたり、古くより往来の多い場所であったと思われる。
通りの向かいには多目的集会センターがあり、集落の中心地区であることがわかる。
古くからの集落内に立地する例。静岡県山間部にある小集落の中心にある辻に立てられている。
現在の県道は集落を迂回するように敷設されているため、集落内の道は昔ながらの狭いままで残っており、界隈は路地が細く入り組んでいる。
※既に撤去済みです。