集落には、古来から地域の守り神として氏神が祀られた神社が中心的な場所に建立されている。神社は祭礼など信仰的行事をはじめとして集落の人々の集う交流の場所でもあった。また寺院も同様に、古くからの集落と密接な関わりを持つ場所として機能している。
境内は時として祭礼の舞台に、子供の遊び場にも使われ、広い敷地には集会所などが設けられる事も多い。火の見櫓もまた、社寺の境内の持つ地域の中心的機能に合わせて建造されている例がよく見られる。
神社への設置例。
新潟県新発田市切梅神社の境内。かなり広い境内地を有しており、鳥居の傍らに消防団詰所、その後背に火の見櫓が建てられている。
神社への設置例。
国指定登録有形文化財にもなっている岐阜県高山市山桜神社の境内に設けられた望楼。もともと山桜神社は高山城主を明暦の大火から救った名馬山桜を祀ったもので、火伏せの神として崇められていることから神社の境内にも火の見の望楼が設けられている。